National CRT ブラウン管テレビ  について

admin · 2024-04-15 12:53:22


かつての子供たちにとってテレビは生活の中心で、、少なくとも私はテレビで一週間が回っていた。土曜夜の鉄腕アトムを心待ちにし、日曜の夜は家族で必ずポパイを見ていたが8:00になって子供の時間が終わると楽しい日曜日も終わって明日からまた学校に行かなくてはならない、、と暗い気持ちになった。1976年に大学入学した年の夏に水害があり私の下宿も天井近くまで水に浸かってしまって街には冠水した家電品が溢れていた。今なら即廃棄だが皆さん真水で洗って(!)再使用している人も多かったと思う。当時私はテレビは持っておらず同じ下宿の人が捨てた白黒テレビを嬉々としてもらってきて丸洗いして泥を落としてスイッチを入れた。幸い感電死せずに無事復活ししばらく使っていたがそれを見た元所有者に奪還されてまたテレビのない生活になった。当時はすべてブラウン管で白黒テレビもまだまだ現役だった時代で一人暮らしの若者向けに家電各社から様々な製品が発売されていた。

 ナショナル(現Panasonic)は1970年代末から80年代にかけてパーソナルTVの分野でも多くのラインアップを持っていて豊かな時代を反映してかデザインも個性的。ブラウン管という大きなパーツを中心にどうやって料理するかデザイナーの力量が問われたと思うがYAMAHAやSONY,海外製品のようにデザイナーの名前がクレジットされてものは見当たらずナショナルは社内にそういった優秀な部署があったと想像する(後年発売されたPiedraという小型TVは宮本一伸氏デザインという情報があります)。消費者のニーズに合わせて開発するというよりブームを先取りして時代を牽引していくようなパワーを感じる。

TransAm TR-509A

 

  (1979年 National  カタログより抜粋)

 アウトドアにも持ち出せるテレビとして発売されたナショナル トランザム シリーズは男子の憧れだった。どれくらい売れたかは不明だが小型なのが幸いしたのか廃棄を免れて現在でも結構目にすることが多い。中でもTR-509Aは高見山大五郎さんのCMがとてもユニークでスーツ姿のジェシーがあの巨体に小さなテレビを持って普通の日本人には真似できないリズム感で軽快にタップを踊っていた。(このCMは現在でもyoutubeで見ることができます)ちょっと気になってオークションを覘くと数点出品されてはいるがほとんど値がつかない。思わずポチってしまった。。

 

 110円で落札したのは見事な埃まみれで音は出てないが一応砂嵐絵は確認できた。通電しないのやアンテナが折れていたりは当たり前なのでこれは幸い。

  

 早速分解するとスピーカーの導通がない。一応コーン紙を外してチェックするがボイスコイルでの断線で再使用は諦めてこのスピーカーフレームに適当なジャンクを移植した。

     

 乾電池や車載でも使えるしACアダプターは本体の背面に引っ掛ける金具が付いている専用品。UHERのデッキのように電池ボックスに納めたらスマートかと思うがトランスの高さの関係で内臓は難しい。UHERの場合はトロイダルコアトランスを使って解決していた。

  

 修復したマックロードからのRF入力で映画を視聴する。特に問題はないと思います。

後日談

 その後奇跡的にスピーカーだけ入手できて交換しました。

 

 このスピーカーは40Ωという特殊なもので多分ボイスコイルも細いワイヤーが多層に巻かれているもので切れやすいと思われます。入手、交換できてよかったです。

 

 

TH11-S9

(1984年 National  カタログより抜粋)

 独り住まいの若い女性をターゲットにした(?)製品ももちろんあってこのパステルカラーの美しいカラーテレビは1984年のもので5色から選べた。ブラウン管は11インチでとてもコンパクト、選局ダイヤルは無く10個のプリセットボタンごとにVHFとUHFどちらかの設定ができた。裏面もキュートに処理されていてそれ以外は突起もなくスクエアで両波共通のロッドアンテナまで同色。1984年はStive JobsによってMacintoshが発表された年だが彼はユーザーに色の選択を与えなかった(フロッグデザインは色もデザインしていた)。

 

 ポチったのはかなり薄汚れているがこれも幸いに砂嵐の絵と音は出力される。早速分解してお掃除とチェック。

   

 選局ボタンのボードが複雑そうだが特に不具合もなさそうなので降り積もった埃をはらってこびりついたピッチなどをアルコールや微粒子コンパウンドで落としてまた組み立てた。ブラウン管は発熱するのでプラスチックの筐体は少し焼けた感じになってこれを回復する手段は知らない。古いMacもなかなか捨てられないが年々クリーム色が濃くなってきている。。1986年のカタログを見るとこの機種と電話が合体した製品も登場した。

    てれ・ほん11     (出典:https://panasonic.jp/viera/history/1980.html)

 この色彩は当時のナショナルの電話でよくみられたとても美しいものだがこれでは誰が見てもテレビ電話だ。ラジカセにTVが加わったり、カメラとラジオだったりと当時は合体ブームだったのか。。電話がかかってくるとテレビ音声がミュートされたり短縮ダイヤルが採用されたりと全体から明るい未来を感じさせるが実物は見たことがない。

  

画面の撮影は難しい。カラーブラウン管の色彩は液晶を見慣れた目からすると懐かしく細かいところは見えないのだが何か大らかな気がする。

 

SPORTSMAN TR-808C

出典:http://blog.livedoor.jp/cangee/archives/18870736.html

 これはトランザムより前の1976年の雑誌広告とのこと。色はブルーとレッドの2色、アメフトのユニフォームを意識したもので現在のラグビーのようにアメフト人気が高かった時期だったのかもしれない。8インチの画面を前面いっぱいに置いて奥行きが長く横の弾倉みたいのは電池ボックス。この機種はトランザムの影に隠れて目にすることは少ないがspaceageから派生したような結構攻めたデザインだと思う。

   

 

 これは1980年後期型。かなり使い込まれたのちに長期間の放置と思われた。。電源コードは欠品なのでトランザムのアダプターをスライダックで電圧調整して12Vで運用すると砂嵐は大丈夫。適当なACコードのプラグをジャック部に合わせて加工してうまく接続できた。

 

 なぜか黒マジックの書き込みがいっぱいある。キャンディーレッドの筐体は塗装のようで気をつけながらアルコールで落とす。これで分解すると尋常でないホコリの量!

   

マスクして掃除機と歯ブラシでやっつける。

 奥行きが長いのはブラウン管のせいではなくワンボードの基板の寸法の関係。この辺りはもう少しなんとかして欲しかったがどうだろうか?折れたロッドアンテナは適当なものを注文して到着待ちです。

 

 ちょっと前に電動ドライバーを購入した。韓国製の「HYBRO」で購入価格は3000円台だったと思う。

 

 USBで充電、ライト付き。ちょっと大きなグリップのドライバーという感じでブームなのか結構な種類が発売されている。ハイブリッドというのは電動と手締めの、、ということでこの形のドライバーにとっては必需機能でそうでないと使えない。ただし締めるときには注意が必要でいかに非力でも電動で最後まで締め込むのは危険だし付属のビットが入らないくらい小さなネジには使用しないのが無難。使ってみて気になったのはビットの上下方向の遊びが大きい事で交換はしなくて良いからもう少ししっかり固定したいと思わせる。多分すぐに一家に一台になると思います。

 

 アンテナを修復して画像を出すもどうも安定しない。一応映るのだが今一歩鮮明ではなくまた時々画面が歪む。適当にツマミを弄るがあまり変わらないが試しに乾電池で動作させると少し改善する。電解コンデンサーは多分かなり劣化していると思われるので数値を拾って一覧表にして注文した。

 

連休中はお休みのはずだが届きました。これだけで270円 代引送料は800円。いつもお世話になります。

 

注文漏れもあったがほとんど交換した。交換後は画面、音共に以前と比べて安定して問題ないレベルとなった。

裏面の垂直に立てた時の足の一部が欠けていて特に支障はないのだが一応修復してみた。

 

 反対側をプラリペアと共に売っている「型取くん」で型取ってプラリペアは無くなったので試供品としてもらったレジンを流し込んで

 このレジンは材との接着性は問題ないのだがはみ出したところの処理が大変で次回はもう少し上手にできると思う。。

      

 

 

 

TR-603B(National)TR-005(Panasonic) 1972年

(出典:http://my.reset.jp/~inu/ProductsDataBase/index2.htm)

今回国内製品(ラベルで判別できる)を入手することができたがバラバラに割れているジャンク

       

 写真のようにいたるところにヒビが入っていてビクビクしながら通電すると一応ブラウン管は光りザー音は出る。球体にブラウン管やトランス、基板を収めるために内部構造は複雑で、また放熱の関係でスリットを設けなくてはならず強度を確保するのは難しかったらしく(多分棚あたりから落としたのだと思うが)回転するスタンド周りの損傷が激しい。幸い中途半端な補修の手は入っておらず細かなカケラも失われてなかったのである程度修復は可能と思われた。

 まず材質が分からないのでホームセンターで入手できる接着剤を目立たないところでテストして決定した。

 

プラモ用、ABS用、塩ビパイプ用と試したが溶着性能はあまり差はなくそれもさほど強力ではない。結局「アロンアルファ プロ用No1」を用いる事にした。ひび割れているところは位置決めしてから低粘度の接着剤を裏から流し込みたかったのも大きい。細いノズルが入っているのも好都合だができれば数多く入れて欲しいと思う。1回使うと詰まりを取るのに苦労する。パズルのように仮組みしたのだがそのまま流し込んで固定すれば良かったと反省した。組む順番を間違えるとピースが入らない。組み終わってどうしても隙間が残るところとタップネジを受ける力のかかるところはプラリペアを用いて補った。

     

 幸いアロンアルファ、プラリペア共に材との相性が良好で内部の複雑な構造もほぼ完全に修復することができた。ブラウン管周囲の枠も割れている事が多くボディと材が異なるらしくアロンアルファは接着せず難接着エポキシと欠損しているところはプラリペアで補修した。取り出した電子部品はこれがすべて

 

 分解時はステーが割れてぐちゃぐちゃの状態だったため組み込む場所がよくわからず結構時間を費やした。取り付ける順番を間違えるとネジにドライバーが届かない。

 再びバラックの状態で動作確認するがやはりRF入力からのVHF2chの反応がない。ボディ横にあるダイヤルでON,OFFとVHF-L,VHF-H,UHFを切り替えるのだがch表示はブラウン管の横に数字が現れ横向きのダイヤルを回すと表示用のドラムと可変抵抗器の軸が回ってチューニングする。テレビについての知識は全くなく回路図も入手できない。様子を観察するとUHFだけダイヤルを回すと少し反応があるように見える。改めて地上アナログ波の周波数を調べると

(引用:https://www.soumu.go.jp/main_content/000530382.pdf#search=%27アナログ放送+周波数%27)

SG(シグナルジェネレーター)は持ってないがアナログ無線機はある。144Mhz帯と435Mhz帯を中心に広くカバーするちょっと怪しい激安機器でこれをSG代わりに使ってみると170Mhzと470Mhzあたりは発信できそう。最初に470MhzでFM波を発信するとやはりUHF13chに感度がありUHF帯系統は受信していることが確認できた。次に170MhzでVHF4chあたりを探ってみるがやはり反応は薄い。薄いというのは回路のどこかへの飛び込みで何かしらの反応はあるが本流は受信していないようだ。

 シャーシ上にはVHF(右)とUHFのチューナー(左)が並んでいる。UHFの出力がVHFに入っているのでダブルスーパーかと思ったがバンド切り替えSWによって給電が遮断されることからそうではなくシングルスーパー。VHFからの信号は黒い同軸で内部のIF増幅段と繋がっている。UHF信号とIF信号をショートすると(ジャンパー線ではダメで最短で結ぶ必要がある)470Mhz13chを受信していてもラスターと無音になるので予測通りUHFチューナーとIF増幅以降は機能していると思われる。

チューナー部は金属製のボックスに入っているがしっかりとシールドされていて分解してメンテは難しくここで行き詰ってしまった。なにか方法がないか考えてみるが気がつくとUHFの画面の砂嵐のパターンが変わったような気がする。。

調べてみるとIF周波数は25Mhz帯で音声と映像が区分されている。多分共通と思われたので他のブラウン管テレビのVHFチューナーの出力をIF入力につないでビデオ再生してみると音声は出力されたが嫌な予感は的中して画像は出てこない。VHFチューナー以外でも新たな問題を発生させてしまった可能性があり適当なユニットを移植しようという安易な目論見は見事に崩れてしまった。仕方ないのでテレビのお勉強は先送りにして外観だけでも仕上げておくことにします。

 


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